たとえ、いつもと同じ睡眠時間でも、「身体の回復を最大に高める睡眠のちょっとしたコツ」があります。そのコツは、とてもシンプルです。

「睡眠中のストレスを抑える習慣づくり」=「“副交感神経”優位状態で眠る習慣づくり」をするだけです。

睡眠中のストレスによる回復の違い

下図をご覧ください。先ほどと同じ測定機器を使用して、同じ人物の別の日の回復状況を記録したものです。

左側は、安眠の妨げになるものを取り除かない状態で眠りしました。

右側は、安眠の妨げになるものを取り除いた状態で眠りました。この違いを、あなたは、どう感じますか?

“パターン:D”の状態で眠れる身体と習慣づくりができれば
同じ時間でも身体の回復力を高めることができる


※こちらのデータは、個人差があり効果・効能を保証するものではありません。

今回は、回復状況の折れ線だけでなく「ストレス値」を追加しました。オレンジ色や青色で表示されている部分が、ストレス値です。オレンジ色はストレス値が高い状態の「“交感神経”優位」を示し、青色はストレス値が低い「“副”交感神経優位」を示しています。

このように比較すると一目瞭然でしょう。左側と右側では、明確な違いが出ています。安眠の妨げになるものを取り除かない状態で眠った「左側」は、ストレス値が高いオレンジ色(“交感神経”優位)の状態です。

反対に、安眠の妨げになるものを取り除いた状態で眠った「右側」は、ごくわずかにオレンジ色の部分があるものの、ストレス値が低い青色(“副”交感神経優位)の状態です。

身体の回復状況を示す折れ線を見ると、左側は低空飛行で横ばいです。寝ても、ほとんど身体が回復していません。一方、右側は、急速に回復しているが分かります。

カンの良いあなたであれば、もうお気づきでしょう。このように、効果的な睡眠で、身体の回復を最大に高めるには、時間を長くすることではなく「ストレスが低い”副交感神経”優位状態で眠ること」=「休息モード」が重要です。

反対に、左側のように「ストレス値が高い“交感神経”優位状態で眠る」=「活動モード」で、どれだけ長時間眠っても、身体はほとんど回復することなく、低空飛行を続けてしまうのです。

ちなみに、交感神経と副交感神経は、大まかには以下のような役割を担っています。

交感神経と“副”交感神経の違い

交感神経:身体を“活動モード”にする働き(ストレスが“高く”なる傾向)
副交感神経:身体を“休息・回復モード”にする働き(ストレスが“低く”なる傾向)

何が安眠にとって良いか考えるよりも…“どのようにしたら休息モードに入る副交感神経優位状態に切り替わるか”を知ることが効果的。結果的に、それがストレスをマネジメントすることになり、心身の回復を高める効果的な睡眠につながりやすい。

人間は、どちらの神経が優位になるかで「活動モード」と「休息モード」が切り替わります。

しかし、その切り替わりが上手くいかないと、本来であれば休息しなければならない睡眠中でも活動モードになり、眠ったけど身体が回復しない…という状態に陥ってしまうのです。

まさに、安眠を妨げる原因を取り除かない状態で眠ると、こうなるということでしょう。

だから、厚生労働省が推奨するように、私たちは、「安眠を妨げる原因を取り除いて眠る」必要があるのでしょう。

安眠を妨げる…“活動モード睡眠”になる典型的な原因

安眠を妨げる…典型的な原因

悩みごとを抱える/考えたまま眠る
・過度な飲酒
・眠る前の激しい運動
・眠る前のスマートフォンの操作
(インターネットや動画の閲覧など)
・眠る前のテレビ


心身が、こんなストレス値の高い「活動モード」で寝ても良質な睡眠にはならない。このような状態で眠ることを続けてしまうと、場合によっては身体だけなく、精神も回復せず、メンタルダウンを引き起こしかねない…

このようなものが安眠を妨げ「活動モード」の睡眠にしてしまう典型的な原因です。

ちなみに、これらの典型的な原因は、副作用のない自然の睡眠薬とされる“メラトニンの分泌量を低下”させる典型的な原因と、ほぼ重なります

だから、このような原因を1つずつ取り除き、できるだけ「休息モード」である「“副交感神経”優位状態」での睡眠をとることが、今よりも短い睡眠時間でも、身体の回復を最大に高める秘密なのです。

しかし…そうは言っても、現代社会を生きる私たちには、どうしても取り除くのが難しい原因もあります。

厚生労働省が推奨するように、1つずつ安眠の妨げになる原因を取り除こうとしたら、かえって疲弊してしまい、原因の1つである「心身のストレス」を、さらに増やしてしまうでしょう。

そこで、私たちがオススメしたいのが、このように交感神経と副交感神経の状態を測定し、大雑把に独自の安眠法を習得することです。

細かく、一つずつ安眠の妨げの原因を探すのではなく、まずは「“副交感神経”優位状態で眠る」ことを目標に、手頃なところから始めることです。

同じ睡眠時間でも…
“副交感神経”優位の睡眠で心身の回復が高まる

あなたが取り組みやすいところから実施し
「“副交感神経”優位状態で眠る」につなげると、
自然と習慣化することができ、
“心身に過度な負担をかけることなく”
良い睡眠習慣を最短ルートで習得することにつながる

例えば、眠る前のカフェイン摂取をやめるのはいかがでしょうか?眠る前のアルコール摂取を過度なものにしないするのはいかがでしょうか?

他にも、眠る前の光刺激を、できるだけ抑えるのはいかがでしょうか?

このように、あなたが取り組みやすいところから実施し、それが「“副交感神経”優位状態で眠る」につながれば、自然と習慣化することができるでしょう。

結果的に、それが最短ルートで、今と同じ睡眠時間でも、身体の回復を最大に高める睡眠につながるでしょう

とにかく、ムリをしない…、ムリをしたらかえって心身にストレスをかけてしまいますので、自然なところから取り組むことを、私たちはオススメしています。

そうすることで、少しずつどのような行動が「活動モード」を示す「“交感神経”優位」につながるのが分かってきます。

「何をすれば“副交感神経“優位状態の休息モードになるか?」ではなく、はじめは「何をすると”交感神経“優位の活動モードになってしまうのか?」を知ることからはじめるのが、あなたを良い睡眠へと導いてくれるでしょう。

ちなみに、例で挙げた左側の身体がほとんど回復していないデータは「深酒」をしたときのものです。

メラトニンの分泌量を低下させる原因の通り、深酒をすると、睡眠からずっと交感神経優位であることがわかります。

このようなものを知ってしまうと、自然と深酒は避けるか、仕事上で、どうしてもこのような機会がある場合は、事前に次の日を調整するようになるでしょう。

この日の睡眠は諦め、毎日このような状態にしないようにするなど、そういった行動ができるでしょう。

むしろ、このような日があることが分かれば、違う日は身体の回復を最大に高める睡眠をとる行動につながるでしょう。

結果として、睡眠をマネジメントできるようになると言っても過言ではありません。

だから、私たちが同じ睡眠時間でも…身体の回復を最大に高める効果的な睡眠をとるには、できるだけ「“副交感神経”優位状態」で眠れるように、神経の状態を切り替えられる身体を作るのが、最も必要なことと考えられるでしょう。

それが、まさに厚生労働省の推奨する安眠法でしょう。

でも、どうやって眠るときに自然と「副交感神経優位の状態」に切り替わる身体を作っていけば良いのでしょうか?

それが問題ですよね。その方法として提案するのが…

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どうやって…睡眠の質を向上させ副交感神経優位で眠るのか?

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